社長ブログ

2026年03月27日ストレスを成長のパワーへと変化させる

最近、原因ははっきりしないものの、イライラが募り、頭がすっきりしない日々が続いている。

思うように物事が進まず、自分にとって不都合なことばかりが起きているように感じられ、ついには自分自身に対してさえ怒りを覚えてしまう。

しばらくじっとしていると、「これはストレスだ。このままではいけない、解消しなければ」と強く感じるものの、どうすることもできずにいる自分がいる。


そんな折、ストレスへの対処法を学ぶセミナーに出会う機会があった。

講師は、田中ウルヴェ京(たなか・うるゔぇ・みやこ)氏である。

シンクロナイズドスイミング(現:アーティスティックスイミング)の元日本代表選手であり、現在はスポーツ心理学者、メンタルトレーナー、そして教育者として幅広く活躍されている方だ。

競技者としての確かな実績と心理学の専門性を融合させた指導は、非常に説得力のあるものであった。


田中氏は「コーピング(Coping)」という概念を提唱されている。

一言でいえば、「ストレスに対処するための意図的な行動や心理的工夫」を指すものである。

もともとは心理学者のリチャード・ラザルスらによって提唱された概念で、ストレスを感じた際に、その原因を解決したり、負担を軽減したりしようとする「あらゆる対処行動」の総称である。


この講演を聴くまでの私は「ストレスは体に悪いもの」「与えてもいけないし、受けてもいけないもの」と捉えていた。

しかし、それは誤りであった。

これまでマイナスだと思い込んでいたストレスも、考え方ひとつでプラスへと変化させることができる、と気付かされたのである。


科学が証明した「思い込み」の力


“ストレスは体に悪いものだから、できるだけ避けなければならない”

現代社会を生きる私たちは、いつの間にかそのように信じ込んでいる。

しかし近年の心理学や神経科学の研究により、驚くべき事実が明らかになった。

実は、ストレスそのものが体を壊すのではなく「ストレスは悪いものだ」と思い込むことこそが、私たちの心身に悪影響を及ぼしているのである。


アメリカで約3万人を対象に行われた追跡調査では、非常に衝撃的な結果が報告されている。

高いストレスを感じていても「ストレスは健康に影響しない」と考えていたグループでは、死亡リスクは全く上昇していなかった。

一方で、同じく高いストレスを感じながらも「ストレスは有害である」と信じていたグループでは、死亡リスクが43%も高まっていたのである。


この結果が示唆するのは、私たちの心身に影響を与えているのは「ストレスフルな出来事」そのものではなく、それを「悪いものだ」と捉えてしまう私たち自身の「解釈(マインドセット)」にあるという点である。


体内での「ホルモン」の変化


なぜ、考え方ひとつでこれほどまでに差が生まれるのだろうか。その秘密は、体内で分泌されるホルモンのバランスにある。

ストレスを「脅威」や「害」と捉えているとき、体内ではコルチゾールというホルモンが過剰に分泌される。これが慢性化すると、免疫力の低下や血管の収縮を招き、文字どおり体を蝕んでいく。


しかし、ストレスを「自分にとって意味のあるもの」「成長のチャンス」と捉え直すと、状況は一変する。

脳の成長を助けるDHEAや、他者との絆を深めるオキシトシンといったホルモンの比率が高まるのだ。

とりわけオキシトシンは「思いやり」のホルモンとも呼ばれ、ストレスによる心臓へのダメージを修復し、細胞の再生を促す働きまで持っている。


「再評価」という戦略


この事実を知ったとき、私はストレスを単なる負担として捉えるのではなく、自分を成長させる「エネルギー」へと変化させるマインドセットを持とうと決意した。


今日から私は、ストレス反応を「味方」として再定義する。

心拍数が上がり、呼吸が速くなる――そんな反応が起きたとき、私はこう考える。

「今、私の体は、この挑戦に立ち向かうためのエネルギーを準備してくれているのだ」と。


このようにストレス反応をポジティブに捉え直すことは、心理学では「再評価」と呼ばれる。

「よし、やるぞ」という前向きな意欲とともにストレスと向き合っているとき、驚くことに血管は過度に収縮せず、リラックス時に近い健康的な状態を保ちながら、心臓が力強く血液を送り出してくれるのである。


環境への配慮と、真の強さ


ただし、ここで一つ、深く理解しておかなければならない点がある。

「ストレスをプラスに変える」とは、「どれほど過酷な環境であっても我慢して耐え続けろ」という意味ではない。

過重労働やハラスメントを正当化するものでもなければ、心身の限界を超えている状態を放置してよいということでもない。

これらは、マインドセット以前に解決すべき環境の問題である。


大切なのは「避けることのできないストレスに、どのような意味を与えるか」という視点である。

環境を整えることや、周囲に助けを求めることもまた、ストレスをプラスへと転換するための立派な戦略であると私は考えている。


ストレスを進化のエネルギーにする


ストレスとは、逃げるべき敵ではない。

それは、私たちを次の成長へと導くエネルギーである。

捉え方ひとつで、ストレスは体を守り、知性を高め、周囲との絆を深めるための「進化のエネルギー」へと姿を変えることができる。


「ストレスを感じる」ということは、それだけ「自分の人生において大切な何か」に一生懸命に向き合っている証でもある。

私はそのエネルギーを否定することなく、自分の味方にしていきたい。

そう強く思う今日この頃である。


感謝、有難うございます。


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プロフィール

代表取締役 三浦 光一

1955年岩手県生まれ

子供の頃より社長になる夢を抱き、高校卒業後上京する。大学卒業時に5年後の会社経営を目指し、商社に就職する。縁あって休日に知人の清掃会社を手伝う。この体験を通じ、清掃業は新しい 産業であると確信、 28歳で一念発起して個人営業を始める。 29歳で株式会社第一ビルメンテナンスを設立。

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